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カンボジアの投資環境 2019年

カンボジアは、タイとベトナムの間に位置し、ASEANでの事業拡大を目指す企業にとって魅力的な投資先です。カンボジア国内の国内と動乱だった20世紀から復興し、現在、グローバルな経済の動きの中心になることを目指しています。

カンボジアは、近年の約7%のGDPを記録し続け、2019年も引続き同水準の好調が予測されています。急成長しているASEAN諸国の中でも、カンボジアのGDP成長率は最高水準です。しかし、世界レベルでの競争力を高め続けるためには、大規模な改革が直近の課題です。

⇒カンボジアのインフラ開発

カンボジア 2018年の経済成果

2018年第2四半期に、外国からのFDI(対内直接投資 )の流入は過去2年間で5四半期連続して増加し、約940億円(832百万米ドル)となりました。過去10年間における一貫した成長は、隣国のタイやベトナムといったより先進的な国家によって経済を支えてきました。

2018年は衣料産業と観光業が国の経済パフォーマンスを支えました。観光産業は着実に成長し、11%の国際観光客が訪れました。中国の賃金上昇圧力とバングラデシュの工場で起きた数々の事件によって、多くの外資系企業がカンボジアへ工場移転を決定しました。その結果、衣料産業は2018年に急成長し、2018年上半期における衣料品の輸出は前年比で11%増加しました。

投資環境

カンボジア国内の投資環境は、海外からFDIによって急拡大しています。カンボジアは外資系企業および海外投資家へ非常に開放的で、さまざまなインセンティブを提供しています。タイとベトナムの生産施設、そして中国の巨大市場に近接していることも良好な投資環境を支えている要因です。

カンボジアの 国境近隣の 経済特区SEZ(Special Economic Zone)は、隣国からの投資および輸出産業に最適な環境を提供します。カンボジア国内へ投資されれば、最大8年間もの法人税免除が受けられるため、投資家にとって魅力的なインセンティブの1つです。さらに、輸出産業へ関税を免除する制度も用意されています。

カンボジアでは、幅広い産業において、外資系企業による持ち分100%で現地子会社を所有することができます。

2018年の初めに、カンボジアは欧州特許機構と特許の有効性について合意し、カンボジアの特許登録が簡便になりました。この協定により、EUに拠点を持つ企業は、カンボジアに生産拠点を設けて、自社の技術・権利を簡単に保護することができるようになりました。

カンボジア 2019年の経済見通し

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今年、カンボジアの経済はこれまでと同様7パーセント程のGDPで成長していくことが予想されています。米中貿易戦争への懸念はあるものの、中国系の製造拠点がカンボジアへと移転することで、カンボジアは引続き貿易輸出で経済をけん引していくと、予測されています。

2019年の経済においても、衣料品の縫製産業が重要です。カンボジアはこでまでと同様にグローバル企業の製造サプライチェーンで重要な役割を果たします。。観光、農業、天然資源の産業は大きな可能性を秘めていますが、グローバル市場で競争力を持つためにさらなる投資が必要と見られています。

カンボジアの主要産業 縫製分野の成長とエネルギー問題

カンボジアでは、GDPの16%、総輸出の80%が衣料品の縫製産業が占めています。同部門は、東南アジアの中心というカンボジアの戦略的立地、競争力のある労働力、EUや米国などの主要市場へのアクセスによって、大きな成長の可能性を秘めています。良好な環境ではあるものの、エネルギー問題という課題に直面しtえいます。

カンボジアでは主要産業へ安定的にエネルギーを供給出来るかが喫緊の課題です。エネルギー生産は石油、石炭、水力に依存しています。しかし、これらの部門は主に輸入に依存しており、カンボジア国内の高額な電気代や石油価格といった問題を引き起こしています。今後は、エネルギーのポートフォリオを組み込み、バイオガス、太陽光、風力発電によってエネルギーミックスを強化し、一定の価格で安定的にエネルギーを供給していきます。

カンボジアの隠れた埋蔵石油資源

現在カンボジアは石油、ガス、石炭 といったエネルギ―資源を輸入に頼っていますが、今後はカンボジア自国が採掘する可能性を秘めています。これまで沖合の石油資源は利用されていませんでしたが、2018年にカンボジア政府は石油資源の探査を進めています。エネルギー資源の採掘は、インフラ部門の多大な資金と技術のニーズによって、海外投資家に多大な利益をもたらすでしょう。

カンボジアの製造業の成長可能性

カンボジアは、開放された投資環境と戦略的な立地により製造業へさまざまな機会を提供し、また現在急成長しているタイやベトナム経済へ寄与します。現在の製造業は、食品および飲料、化学ゴム、プラスチック、紙加工が中心です。

カンボジアの経済特区は、タイやベトナムへ円滑に製品を供給できるだけでなく、世界各国への輸出も見込まれます。米中貿易戦争によって安価な人件費のカンボジは、中国の代替国家の一つとして地位を獲得できるでしょう。

カンボジアの課題産業 農業分野

カンボジアの労働人口の約40%が農業分野に関わっており、縫製産業と並び主要産業です。2018年の総輸出の27%を農作物が占め、中国の農産物の需要は、現地生産を支えています。ASEAN諸国では、近年有機食品の生産および促進に関する合意がされ、食品業界の発展をさらに加速させます。

しかし、一方で地方の農業分野はインフラの不足という問題に直面しています。農業分野は、バングラディッシュやミャンマーと代替されうる国家が数多くあり、世界的な競争力がなく、インフラ問題が取引価格の上昇となっています。

2019年はカンボジアへ投資すべきか!?

カンボジアは海外投資家へアジアで最も開放的な政策を進めています。投資環境、安価な労働力、東南アジアの中心という立地が海外からのFDI上昇に繋がっている要素です。EUの特許保護とカンボジア国内のインフラ向上(特に、経済特区SEZ) は、カンボジアを衣料品の縫製産業のみではなく、製造分野の対内投資も引きつけています。近い将来にも、エネルギー資源が自国で生産され、国内の資源産業を支えるでしょう。

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